ミツバチのこと
ミツバチは、1箱の巣箱に1匹の女王バチと約2万匹の働きバチがいます。働きバチは全てメスで、女王バチが数年生きるのに対し働きバチの寿命は1カ月あまりです。
成虫になった働きバチは巣の中の清掃や幼虫の子守りを行い集められた蜜を管理した後 、生涯の後半の2週間で巣から飛び立ち蜜源を回り採蜜を行います。
しかし外にはミツバチを襲う外敵が多数いる上、強い風に吹かれたり雨に打たれたり戻れないミツバチも多くいます。
そうしたミツバチが一生かけて集めるハチミツの量は、スプーン一杯の約2~3グラムです。
ミツバチは何万もの働きバチで構成されており、毎日おびただしい数の働きバチがどこかで命を落としますが、シーズンになれば女王バチは1日に数千個もの卵を産みます。
ミツバチは外敵に食べられるものもいれば、どこかで無くなりそのまま消えてしまうものもいますが、こうしたミツバチの生涯を知る事からハチミツという生態系サービスの副産物を頂くことは食育にも繋がります。
またミツバチには、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種があり、私たちは行動範囲が広く採蜜量の多いセイヨウミツバチを採用しています。
行動範囲について
セイヨウミツバチは巣箱から半径2~3キロを移動し、街路樹や季節の花々から甘い蜜を集めてビル屋上に戻ってきます。
岡山市街地は環境に恵まれており以下の主な蜜源があると考えています。
半径 1 キロ圏:桃太郎大通り、西川緑道公園
半径 2 キロ圏:後楽園、旭川さくらみち、 岡山県総合グランド
半径 3 キロ圏:岡山大学、半田山植物園
都市養蜂の安全性について
都市地域では、昆虫と接する機会も減りミツバチは人を刺すイメージを持った人もいます。
住宅やオフィスの多い地区で 飼育することで刺されるリスクが高まってしまうと考える人もいますが、ミツバチは針を1本しか持たず 、刺すと自分も死んでしまうため、こちらから攻撃しない限り刺すことは ありません。
また都市養蜂でのミツバチは 、巣箱から出るとビルなどの障害物を避ける為、一旦高く飛び立ってから蜜源に向かって一直線に飛行することが知られています。
よってビルの屋上に巣箱を設置することにより、人口が密集する都市地域においてミツバチと人間の動線が交わりにくくなり安全性も高くなります。
また都市養蜂は、近くに農薬を使った田畑も少く、また天敵とするスズメバチの巣も近くにないため養蜂に適しています。